ナレーション
English Page
2. Al イオンの確認反応
−アルミノンレーキ−
操作法 TOP
>
操作法 2
> アルミノンレーキ
概要・一般的注意
赤色のアルミノンレーキの生成によって Al
3+
を確認する(アルミノン反応).
レーキとは,金属の水酸化物に色素が吸着してできる着色物質である.アルミノンレーキは,水酸化アルミニウム(Al(OH)
3
)沈殿に有機色素であるアルミノンが吸着したものである.
アルミノン(オーリントリカルボン酸アンモニウム)
アルミノンレーキは,酢酸アンモニウム(CH
3
COONH
4
)を含む緩衝溶液中でのみ生成する.
アルミノンレーキが生成する反応液のpH は 5〜7 付近である.
アルミノンレーキの沈殿が分離しにくいときは,反応液を遠心沈降して観察する.
アルミノン試薬は,酸性条件では水に不溶のオレンジ色沈殿を生じる.これとアルミノンレーキとを間違えてはいけない.
アルミノン試薬自体が赤色であるため,過剰に加えすぎると上澄み液が着色して赤色のレーキの生成を見極めにくい.
指示通りの操作を行ってもアルミノンレーキが生成しにくいときは,3 mol/L CH
3
COONH
4
を約0.5 mL追加してみるとよい.
アルミノンレーキの生成に気付かず,6 mol/L NH
3
水溶液を過剰に加えすぎると溶液が強いアルカリ性となり,レーキが退色する.このようなときは6 mol/L HCl水溶液を加えて沈殿を溶かし,改めて6 mol/L NH
3
水溶液を加えて沈殿を作り直す.
アルミノンは,Fe
3+
,Cr
3+
,Ni
2+
,Zn
2+
などの水酸化物にも吸着されてAl
3+
の場合とは異なる色のレーキを生成する.これらのイオンの分離が不十分であるとAl
3+
の誤検出の原因となる.
手順
Al
3+
を含む試料溶液(約0.01 mol/L)3 mL に,3 mol/L CH
3
COONH
4
水溶液3滴を加える.
続いて,0.5 % アルミノン水溶液2滴を加えてよくかき混ぜる.
反応液の変化を観察しながら,6 mol/L NH
3
水溶液を 1 滴加えるごとによくかき混ぜる. 一度に2滴以上加えてはいけない.
反応液の赤色が強くなり,続いてゲル状の沈殿が生じるまでこの操作を繰り返す .
反応液を静置して,アルミノンレーキの赤色沈殿と無色透明の上澄み液に分離すれば,これがAl
3+
の確認となる.
ページの先頭へ
操作法 TOP
操作法 1
操作法 2