分析化学及び環境化学実験-Analytical and Enviromental Chemistry Experiments-

群 B群 単位数 2 開講期 前期および後期 週コマ数 2 対象学生 履修要件あり→注意事項 曜時限 火3・4/金3・4

授業のテーマと目的

物質をあつかう学問である化学において、ある物質がどのような元素や原子団を含んでいるかを調べること
(定性分析)は、最も基本的な仕事である。本実験では、定性分析の基本的な考え方や操作を修得するとともに、
環境化学におけるそれらの応用について実験を行う。

授業計画と内容

1. 無機金属イオンの系統分析の考え方とその基礎理論
2. 難溶性水酸化物(Fe(OH)3, Al(OH)3, Cr(OH)3)の生成、熟成、ろ過、遠心分離。溶解度積の理論
3. 難溶性の塩化物(AgCl, PbCl2)、硫化物(CuS, PbS, Bi2S3, SnS2,
ZnS, MnS, NiS, CoS)、炭酸塩(CaCO3, SrCO3, BaCO3)の生成
4.両性水酸化物生成における緩衝溶液の利用、pH試験紙の使用、
有機色素(アルミノン、マグネソン)を使ったレーキ生成
5.酸化還元反応を利用した金属イオンの分離・確認(Cr, Mn, Bi)
6.錯イオンやキレート生成による金属イオンの分離・確認(Ag, Cu, Co,Ni),
有機溶媒を用いた中性錯体の抽出(Cr, Sn)
7.高温反応による複合酸化物の生成(CoAl2O4
8.未知試料の系統分析
9.沈殿生成を利用した重金属廃液の処理

実験設備や所要時間を考慮し,以上の内容をくみあわせて,十数回の実験を行う。

教科書:京都大学総合人間学部 『無機定性分析実験』(共立出版) ISBN:4-320-04336-7