ナレーション
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10. ロータリーエバポレーターの使用法
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概要・一般的注意
ロータリーエバポレーターは減圧蒸留器の一種で,減圧ポンプ,水浴,冷却水循環装置と組み合わせて,溶媒を速やかに留去するために使用する.
減圧にはアスピレーター(水流ポンプ),ダイアフラムポンプなどを用いる.
冷却には水道流水や氷水 を用いる場合もある.
回転により,ナスフラスコの内壁に薄い溶液の膜ができ,効率よく溶媒を蒸発させることができる.
蒸発した溶媒は冷却器で液体に戻り,溶媒溜めに回収される.
トラップ球をセットして使用する.使用後はジョイント部分を洗浄する.突沸した場合は内部もきれいに洗浄する.
水浴の温度は溶媒の沸点に応じて設定する.低すぎると蒸発が遅くなり,高すぎると突沸することがある.
冷却水循環装置は目的の温度に達するまで時間がかかる.エバポレーターを使用する前にあらかじめ電源を入れておくとよい.
溶液の量はナスフラスコの6割以下にする.多すぎると突沸することがあるので注意する.
大きなナスフラスコを用いる場合は,エバポレーターに負荷がかかるので,最初から水浴につけて,浮力で支えるようにする.ジクロロメタンなどの比重の大きい溶媒の場合は特に注意する.
トラップ球とナスフラスコをとめるクリップにひび割れ等がないか確認する.
蒸発の途中で結晶が析出する場合は,突沸することが多いので注意する.
溶媒溜めにたまった溶媒は所定の廃液容器に捨てる(動画資料:
実験廃液の処理
を参照).たまった溶媒は再利用する場合もある.
操作法・使い方
冷却水を流し,水浴のスイッチを入れる.
コックが開いていることを確認する.
溶液の入ったナスフラスコを取り付け,専用のクリップで固定する.
エバポレーターの回転ダイヤルを操作し,ナスフラスコをゆっくり回転させる.
減圧ポンプのスイッチを入れ, 冷却器上部のコックを閉じて減圧を開始する.
ナスフラスコを水浴に浸し,回転速度を上げる.
濃縮が終わったら,ナスフラスコを水浴から出して,エバポレーターの回転を止める.
冷却器上部のコックを開けて,減圧ポンプのスイッチを切り,内部を大気圧に戻す.
ナスフラスコを外す.
ジョイント部分を洗浄する.突沸等により,トラップ球内部が汚れた場合はトラップ球全体を洗浄する.
冷却水を止め,水浴のスイッチを切る(続けて使用する場合はつけたままにしておく).
たまった溶媒を所定の容器に捨て,溶媒溜めを元に戻す(溶媒は再利用する場合もある).
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