ナレーション : ロータリーエバポレーターの使用法
- ロータリーエバポレーターは,溶媒を速やかに留去して試料を濃縮する装置です.
- これは減圧蒸留器の一種で,減圧ポンプ,フラスコを加熱する水浴,冷却水循環装置と組み合わせて使用します.
- エバポレーターにはトラップ球を必ずセットします.これにより,突沸してもエバポレーター内部に溶液が入るのを防ぐことができます.
- スイッチを入れてエバポレーターに冷却水を送ります.
- 水浴の温度は留去する溶媒の沸点に応じて設定します.
- 溶液の量はナスフラスコの 6 割以下にとどめます.
- まず,上部のコックが開いていることを確認します.
- 次に,ナスフラスコをトラップ球に取り付け,クリップで固定します.
- 回転ダイヤルを回して,ナスフラスコをゆっくりと回転させます.
- それから減圧ポンプのスイッチを入れます.
- 続いてコックを閉じて減圧を始めます.
- ナスフラスコを水浴に浸します.
- 続いて回転速度を上げます.
- 回転によって,ナスフラスコの内壁に薄い溶媒の膜ができ,効率よく溶媒を蒸発させることができます.
- 減圧度が高まり,液の温度が上がると,溶媒が蒸発します.
- 気化した溶媒は冷却器で液体に戻り,溶媒溜めに回収されます.
- 濃縮が終わったら,ナスフラスコを水浴から出します.
- 続いて,エバポレーターの回転を止めます.
- 上部のコックを開いて内部を大気圧に戻します.
- ポンプのスイッチを切ります.
- 大気圧に完全に戻ってから,ナスフラスコを外します.
- 次の使用に備えて,トラップ球のジョイントは必ず洗浄しましょう.
- 水浴と冷却水循環装置のすべてのスイッチを切ります.
- 溶媒溜めを外して,溜まった溶媒を所定の容器に捨てます.
- 次の使用に備えて,溶媒溜めを元に戻します.
- ナスフラスコに入れる液量が多すぎると,突沸しやすくなります.
- その他に,水浴の高すぎる温度,溶液中の異物が突沸の原因となります.
- 濃縮中に結晶が析出するときは,とりわけ突沸しやすいので注意しましょう.