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8. 草木染めと媒染剤
−有機色素と金属イオン−
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概要
有機色素は金属と結びつくことにより,色が変化する.この反応は,草木染めの原理にも利用されている.
動画では,草木染めに用いられる有機色素と金属を含む媒染剤の反応を観察することができる.
有草木染めの手順
染色液の調製
タマネギの表皮に水 1L を加えて 20 分加熱した後,ガーゼでろ過する.
タマネギの皮の量の目安…染める布の重量の約 30%.
媒染液の調製
次の試薬のそれぞれ 15 gを 500 mL の水に溶かし,約 3% の水溶液を作る.
アルミニウム媒染剤…AlK(SO
4
)
2
・12H
2
O
(硫酸カリウムアルミニウム,カリミョウバン)
鉄媒染剤…FeCl
3
(塩化鉄(III))
銅媒染剤…CuSO
4
・5H
2
O(硫酸銅(II))
染色
温かいままの染色液(室温〜50℃)に,布を 10 分間浸す.
染色液から取り出した布を軽く絞り,媒染液に 3 分間浸す.
媒染液から取り出した布を軽く絞り,よく水洗いした後,乾燥させる.
有機色素と金属イオンの相互作用
有機色素と金属イオンの相互作用の例
キレート滴定では,Mg
2+
の着脱により,指示薬の色が変化する.
Al
3+
の確認反応では,Al(OH)
3
沈殿に色素のアルミノンが吸着して赤色のレーキを生じる.
このとき,Fe
3+
が共存すると,レーキは紫色となる.
草木染めにも,このような色素と金属の相互作用が利用されている.
草木染めで用いる媒染剤には,金属が含まれている.
媒染液に色素で染色した布を浸すと,色素と金属イオンが結びつく.
媒染剤のはたらき
色素は金属と結びつくことにより,水に不溶な物質となって繊維に固定されるため,色落ちしにくくなる.
色素は金属と結びつくことにより,鮮やかに発色する.
同じ色素でも,結びつく金属の種類によってその色合いが異なる.
タマネギの表皮に含まれる主な色素は,フラボノイドの一種であるケルセチンである.
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