ナレーション : ヨードメトリー −漂白剤中の NaClO の定量−
- 酸化剤と過剰のヨウ化物イオンを反応させ,生成するヨウ素を滴定して,もとの酸化剤を定量する方法をヨードメトリーと呼びます.
- ここでは漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウムの定量を説明します.
- ビーカーに還元剤であるヨウ化カリウムを定められた量,測り取ります.
- これを蒸留水で完全に溶かします.
- ここに,希釈した漂白剤をホールピペットで加えます.
- 続いて,定められた量の塩酸水溶液を加えてよくかき混ぜ,5 分以上放置します.
- この反応ではヨウ化物イオンの他に水素イオンが必要です.これが不足すると次亜塩素酸イオンを完全には還元できません.
- あらかじめ標定したチオ硫酸ナトリウム水溶液で反応液を滴定します.
- 反応液の色が薄黄色になったらデンプン液を数滴加えて,滴定の感度を高めます.
- 反応液中のヨウ素は,ヨウ素・デンプン反応によって濃く着色します.
- この時点で,終点にかなり近付いているので,以後の滴定はより慎重に行います.
- 溶液が無色になったところが終点です.
- ヨードメトリーの 2 段階の反応を一つの式にまとめてみましょう.
- この反応式から分かるように,1 モルの次亜塩素酸イオンを還元するには,2 モルのチオ硫酸イオンが必要です.
- したがって,次亜塩素酸ナトリウムの濃度は,係数 2 を掛けたこの式から計算します.
- ヨードメトリーと中和滴定の終点付近での色の変化を比べてみましょう.
- ヨードメトリーの反応が少し遅いことが分かります.
- そのため,中和滴定と同じ調子で滴定液を加えていくと,当量点を超えて滴下してしまいます.
- 一呼吸置いて次の 1 滴を加えるよう心がけましょう.