ナレーション
English Page
9. 分液漏斗の使用法
−有機化合物の抽出方法−
操作法 TOP
>
操作法 2
> 分液漏斗の使用法
概要・一般的注意
動画は,4-メトキシ-2-ニトロアニリンを水溶液から有機相(エチルエーテル相)に抽出する操作と一般的な注意事項について説明している.
分液漏斗は水に溶けている有機化合物を有機溶媒に抽出するとき,有機溶媒に溶けている酸や塩基を塩として水相に取り除くとき,有機相中の水を除くため,飽和食塩水で洗浄するときなどに使用する.
ドラフト内または換気設備の整った場所で使用し,有機溶媒の蒸気を吸わないようにする.
分液漏斗に入れる溶液の全量は容積の6割程度までとする .これ以上入れると有機相と水相をよく混ぜ合わせることができない.
コックが開いていたり,栓の孔と溝が合っていたりすると ,内部の溶液がこぼれるので,注意すること.
コックを開けるとき,内圧によって先端部から溶液が吹き飛ぶことがあるので,これを周りの人や自分に向けないこと.
有機溶媒中に溶けている酸を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶かし出すときは,発生する二酸化炭素による内圧の上昇に特に注意する.
通常は有機相が上,水相が下になる.ただし,ジクロロメタンやクロロホルムなどの水よりも比重が大きい溶媒を使うと,逆になるので注意する.
栓やコック等のガラスの擦り合わせ部分は,あらかじめ水で濡らしてから使用する.
使用後に栓やガラス製のコックをしたまま放置すると,固まって動かなくなることがある.使用後は直ちに栓,コックを外しておく.
使用後の分液漏斗はきれいに洗浄して乾燥させ,栓やコックが散逸しないように保管する.栓やガラス製のコックを本体にはめたままにすると,取れなくなることがあるので,擦り合わせ部分に紙片等をはさんで保管する.
操作法・使い方
分液漏斗の下に三角フラスコ等の受け器を置く.
コックが閉じていることを確認する.
試料溶液を分液漏斗に注ぐ.続いて有機溶媒(動画ではエチルエーテル)を入れる.
少量の溶媒を用いて試料溶液が入っていた容器を洗い,これも分液漏斗に入れる.
圧力抜きの穴を閉じる.
手のひらで栓を押さえて逆さにし,直ちにコックを開けて内部の圧力を開放する.
分液漏斗を振って溶液を混ぜ合わせる.内圧の上昇に注意する.
分液漏斗を漏斗台に戻して,栓を外す.
コックを開けて,水相を下の受け器に入れる.
有機相を上の口から別の容器に移す.
分離した水相を分液漏斗に戻し,上記の操作を繰り返す.有機溶媒に溶けやすい物質なら2〜3回繰り返せば十分である.
有機相に適量の乾燥剤(無水硫酸ナトリウム,無水硫酸マグネシウム等)を加えて,有機相中に溶け込んだ水を結晶水として取り除く.
ページの先頭へ
操作法 TOP
操作法 1
操作法 2