ナレーション
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4. キレート滴定
−Mg イオンの定量−
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概要・一般的注意
動画は容量分析実験:キレート滴定で実習するMg
2+
の定量を例にとって,その操作法を説明している
EDTA(エチレンジアミン四酢酸)は,多くの金属イオンと安定なキレート錯体を作る.
指示薬には,金属イオンとキレート錯体を作ることにより,色が変化する色素を用いる.試水に指示薬を加えると,指示薬-金属イオン錯体が形成される.
Mg
2+
の定量 指示薬:BT(エリオクロムブラックT),pH 10
Mg
2+
+BT(青) → Mg
2+
‐BT(赤)
これに,指示薬よりも金属イオンとの錯形成力が圧倒的に強いEDTAを加えていくと,EDTA-金属イオン錯体が形成され,指示薬は遊離する.
遊離した指示薬の色は錯形成時と異なるため,溶液の色が変化する.溶液が遊離した色素の色に戻れば終点である.
Mg
2+
‐BT(赤)+EDTA → Mg
2+
‐EDTA+BT(青)
キレート錯体を十分に生成させるために,反応液のpHを定められた値にあわせる必要がある.反応液に加える緩衝液やアルカリ溶液の測り取りは正確に行う.
指示薬の量が少なすぎると,終点近傍で溶液の色がほぼ無色になり,色の変化を見極めにくい.このような場合には,指示薬を追加してもよい.
指示薬の量が多すぎると,溶液の色が濃すぎて色の変化を見極めにくい.このような場合には,はじめからやり直す必要がある.固体指示薬は溶けにくいので,特に入れ過ぎに注意する.
容量分析実験では,キレート滴定により水道水中のMg
2+
とCa
2+
を定量する.
Mg
2+
の定量手順
この方法では,試水にMg
2+
とCa
2+
が含まれるときは,その総量が定量される.
4.の滴定液の標定については,「MgCl
2
標準溶液によるEDTA滴定液の標定」を参照
ホールピペットを用いて,Mg
2+
を含む試水10 mLを100 mLビーカーに取る.
緩衝液(Na
2
B
4
O
7
‐Na
2
CO
3
, pH 10) 2 mLをメートルグラスで測り取り,加える.
BT指示薬を,反応液が淡赤色になるまで加える.
標定した滴定液(約0.01 mol/L Na
2
EDTA 水溶液)で滴定する. 反応液が赤色から中間色の紫色になったら,1滴滴下するたびに色を確かめ,ビュレットの目盛りを読んで記録する.最後の1 滴で,反応液が完全に青色に変化したところが終点である.
滴定5回の平均値から,Mg
2+
濃度を求める.
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