ナレーション : 吸引ろ過
- 沈殿が軽くて細かい場合には自然ろ過では時間がかかるため,吸引してろ過速度を大きくします.
- この方法は有機化合物の合成実験でよく用いられます.
- アスピレーターとろ過鐘を肉厚のゴム管でつなぎます.
- ブフナー漏斗にゴムアダプターを差し込み,ろ過鐘にセットします.
- ろ過鐘内にろ液の受器を置きます.
- 漏斗の先と受器が離れすぎているときは,受器の下にゴム板などを置いて高さを調節します.
- ろ過鐘とガラス板が接するスリ合わせ部分を少量の水で濡らし,ろ過鐘を軽く動かして密着をよくします.
- ブフナー漏斗にろ紙を敷き,これからろ過する溶媒を少量垂らしてろ紙を潤します.
- アスピレーターのスイッチを入れ,三方コックを開いて吸引すると,ろ紙が漏斗に密着します.
- 試料溶液を撹拌して,沈殿とともに漏斗に流し込みます.
- 残った沈殿を移すため,まず,三方コックを回してろ過鐘内の減圧を解き,受器に溜まったろ液をもとの容器に戻し,容器を洗います.
- 再び受器を戻して吸引し,沈殿をできる限りろ紙上に移します.
- 沈殿を洗浄するため,まず,三方コックを回してろ過鐘内の減圧を解きます.
- 沈殿に適当な洗浄液を加えて潤した後,吸引ろ過します.
- この操作を 2,3 回繰り返します.
- 小さなビーカーなどでろ紙上の沈殿を軽く押さえ,液をできるだけ吸い出します.
- さらに,漏斗を軽く押し付け,減圧が保たれるようにして 2,3 分間吸引します.
- 吸引をやめるときは,まず,三方コックを回してろ過鐘内の減圧を解きます.
- 続いて,三方コックを回してアスピレーターを大気圧に開放してから,アスピレーターのスイッチを止めます.
- この順序を間違えると,アスピレーター内の水がろ過鐘内に逆流することがあるので注意しましょう.