ナレーション : 草木染めと媒染剤 −有機色素と金属イオン−
- キレート滴定では,指示薬が金属イオンと結び付く際の色の変化を観察します.
- また,水酸化アルミニウムに吸着されてできるアルミノンレーキによって,アルミニウムイオンを確認します.
- これら有機色素と金属の反応は,草木染めで使用する媒染剤のはたらきに深く関係します.
- 玉ねぎの皮から抽出される色素と金属イオンを含む媒染剤に用いて,木綿の布を染めて,金属イオンのはたらきを見てみましょう.
- まず,タマネギの皮に水を加えて 20 分加熱します.
- 加熱後,ろ過して染色液を作ります.
- 次に,温かいままの染色液に布を 10 分間浸します.
- 布を取り出し,軽く絞った後,金属イオンを含む媒染液に 3 分間浸して色素を定着します.
- 色素は金属イオンと結びついて鮮やかに発色します.さらに,水に溶けない物質となり色落ちしにくくなります.
- ここでは,カリミョウバンすなわち硫酸カリウムアルミニウムを媒染剤として用います.
- 媒染の効果を知るために,媒染処理をしなかったものと,したものについて,色素の発色と定着を比較してみましょう.
- 媒染液に浸したものと,浸さなかったものそれぞれをよく水洗いします.
- 媒染液に浸さなかったものはよく染まりませんが,媒染処理したものはしっかり染まっています.
- 最後に,布を乾燥させます.
- アルミニウム媒染液の代わりに,鉄媒染液,銅媒染液を用いると,同じ色素を用いても異なる色に染めることができます.
- また,染色液の色合いの変化も金属の種類によって異なります.
- 以上のことも有機色素が金属イオンと反応していることを示しています.