1.スポイト・洗浄瓶の使用法
概要・一般的注意
スポイトは液体の試薬や試料を移しかえるときに用いる,最も基本的な器具である.
ゴム球はスポイトの大きさに合ったものを選ぶ.
洗浄瓶(洗浄ビン)は蒸留水を連続的に加えるとき用いる.
スポイトや洗浄瓶の先端を,容器に深く差し込むと汚染の原因となる.
試薬瓶に付属のスポイトや洗浄瓶の先端が汚染されると,汚染の影響が大きいので特に注意する.
動画は無機定性分析実験で水に溶けやすい試薬をスポイトで加える操作法を説明している.この場合,使用後の洗浄に洗剤やブラシは必要ない.
基本操作「9.スポイトによる沈殿と上澄み液の分離」で使用したスポイトの洗浄は基本操作「19.器具の洗浄」に準じて行う.
スポイトの操作法・使い方
スポイトで液体を移すときは,液がこぼれないように容器と容器を近づける.
スポイトの先端が試料溶液で汚染されるのを防ぐため,容器の少し上から液を滴下する.
使用後のスポイトは,ゴム球を外して上端から水道水で洗い,その後蒸留水ですすぐ.
普通にゴム球をへこませてスポイトで吸い上げる液体のおよその量を,あらかじめ測っておくと便利である.
同様に,スポイト1滴のおよその量も知っておくと便利である.蒸留水をたとえば20滴目盛り付き試験管に取って,その量から計算する.
洗浄瓶の操作法・使い方
洗浄瓶の先端が試料溶液で汚染されるのを防ぐため,容器の少し上から液を注ぎ入れる.
蒸留水を少しずつ加えたいときは,洗浄瓶ではなくスポイトを使用する.