6.測容器具の共洗い
概要・一般的注意
動画は容量分析実験で使用するホールピペットを例にとって,「共洗い」の手順を説明している.
ビュレット,ホールピペット,容量フラスコ(メスフラスコ),メスシリンダー,メートルグラス等,液体の容積を測る器具を測容器具と呼ぶ.
測容器具は容量分析実験において使用する.
体積変化を避けるため,測容器具は加熱乾燥を通常行わない.水道水,次いで蒸留水で洗ったものを,使用直前にこれから使用する溶液を洗液として「共洗い」する.
水で濡れている器具に試料溶液を入れると,その濃度は低下するが,その溶液で濡れている器具に溶液を入れても,その濃度は変化しない.
容量フラスコで水溶液を作るときは水で希釈するので,はじめ水で濡れていても問題はなく,蒸留水で洗ってそのまま用いればよい.後で入れる水の一部を,先に入れていたと考えればよい.
操作法・使い方
ピペットの中央のふくらんだ部分(ホール部分)の半分ぐらいまで,これから使用する溶液を吸い上げる.
ピペットの内部がこの溶液で潤うようにピペットを斜めにし,静かに回した後,これを流し出す.以上の操作を2〜3回繰り返し,すぐに使用する.
時間が経ってピペットの中で少しでも濃縮されると,誤った結果に至ってしまう.